逆流性食道炎は治療が難しい病気です。既に患っている人はもちろんですが、まだなっていない人も今の内に症状や改善方法を知っておきましょう。

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ヘリコバクター・ピロリ感染症とは

ヘリコバクター・ピロリとは近年注目されている細菌の一種で、その最大の特徴は胃酸の中でも生存できる、という点です。
大抵の細菌は強酸である胃酸の中で生きていくことは出来ません。
経口的に細菌を取り込んで食中毒が起こる場合も、数多くの細菌を含んだ食べ物を食べた場合に、稀に胃酸をかいくぐって腸に至るためです。
その感染症に対する関門として働いている胃酸の中に定着し生存できる、という点がいかに特異であるかはお分かりいただけるでしょう。

ヘリコバクター・ピロリ、通称ピロリ菌は強酸を自身が尿素から変換する尿素によって中和しながら生存します。
また、ヒトの胃壁に分泌物を注射し作用することで、胃壁にポリープなどの病変を引き起こします。
また、胃酸が中和されているので消化作用も弱まり、消化不良やミネラルの吸収不良を引き起こす可能性があるなど、消化器症状にとどまらず様々な症状を来たします。

ピロリ菌感染症により生じるポリープや鳥肌胃炎は一般にがん化の可能性が高い、と言われています。
ポリープなどの小病変に留まるなら、内視鏡的に治療可能ですが、病状が進行して胃壁を浸潤していくような悪性腫瘍になっては治療に開腹を要するなど、たかが細菌感染症と侮れないのがヘリコバクター・ピロリの怖いところです。
しかも、胃炎などの症状は腹部の違和感、という程度でしか感じることが出来ず、知らず知らずに病状が進行していても不思議ではないこともまた恐ろしい点です。

ヘリコバクター・ピロリを除菌することが病巣の切除以上に根本治療となりえます。
通常、ピロリ菌が耐性を有していることに警戒して2種類の抗生物質と制酸剤によって治療します。
ピロリ菌は最初の除菌で6割程度が、2度、3度と根気強く治療を行っていけば9割程度で除菌に成功すると言います。
除菌に成功した場合、胃炎やポリープなどの症状はそれ以上進行しません。
が、急激に酸の中和が起こらなくなるため胃が荒れることがあり、そのための予防措置として制酸剤を併用します。

ピロリ菌に感染しているかどうかは検査でわかる

ピロリ菌のキャリアは日本人に多く、成人の6割が感染していると言われています。
感染経路は昔は井戸水などに含まれる野生のピロリ菌株である、と言われていましたが現在は上下水道が概ね整備されたために野生のピロリ菌株によって感染症が引き起こされることはめっきり減りました。

むしろ、胃酸の中でも生存できるという特性によって、キャリアとなっているヒトの消化管に常在していることが問題です。
唾液中などにもピロリ菌が現れると、キスなどでも感染する可能性があります。
特に小児では胃酸がまだ未熟であるために、ピロリ菌の抵抗を上回る酸で殺してしまえる大人と比べても感染のリスクが高いため注意が必要です。
感染のほとんどは幼児期や小児期に、口移しで食べ物を与えるなどといったヒトからヒトへ、の感染経路で感染することだと言います。

ピロリ菌に感染しているかどうかは検査によって分かります。
検診などで内視鏡検査を行ったら、ピロリ菌感染者の胃にはポリープや鳥肌胃炎などの症状を発見するでしょう。
そうなった場合、ピロリ菌の有無を確定させるための検査が必要です。
ピロリ菌はシャーレの中で培養できない、という特性も持っており、ブドウ球菌などとはまた違ったアプローチで検査をする必要があります。

その時に使われる方法がウレアーゼ試験です。
胃酸の中にある尿素、それを生み出す酵素を検出することによって間接的にピロリ菌を検出する方法です。
呼気から検出するこれならば胃酸を持ってくる必要がなく、侵襲が少ないため非常に行いやすいというメリットがあります。
より万全を期すなら胃酸材料を取ってきて、染色しピロリ菌の長い鞭毛と捩れた菌体を観察できれば確定診断となります。